日本文化体験教室|さくら 京都

5月(皐月)の画賛

淡島 椿岳

5月の画賛

5月5日には菖蒲の節句ともいわれる「端午(たんご)の節句』があります。
潮干狩りの季節です。
八十八夜に摘んだ新茶を飲み、無病息災を願います。
5月5日の端午の節句は5月の大きな歳時記です。
元々厄除けからはじまり男児の健やかな成長を祈る節句は、桃の節句と並んで日本人誰もが知る風物詩でもあります。
5月は異名を「皐月(さつき)」と言いますが、これはもう一つの5月の異称「早苗月(さなえづき)」を略した言葉と言われています。
また、「さ」は古語で耕作の意味を持つので、皐月は稲作の月という意味たと言われています。
そして5月の節気は、夏の始まりの「立夏」と気温・湿度が高まって草木が茂る「小満」。
暖かくなって生き物が活発に活動し始める月なので、5月の掛軸には花鳥画掛軸も充実していて瑞々しい画題(絵柄)が多いのが特徴です。季節の掛軸は風物詩を感じるものを選びたいですね。
5月の掛軸は、牡丹(ほたん)、躑躅(つつじ)、藤(ふじ)、菖蒲(しょうぶ)、文目(あやめ)、芍薬(しゃくやく)、鉄線(てっせん)、水芭蕉(みずばしょう)、芥子(けし)、百合(ゆり)、撫子(なでしこ)、紫陽花(あじさい)、鬼灯(ほおずき)、鮎(あゆ)、石楠花(しゃくなげ)、花水木(はなみずき)、柳(やなぎ)、山吹(やまぶき)、鮎(あゆ)、芋茎(ずいき)、雪割草(ゆきわりそう)、瀑布(ばくふ)などがあり.『端午(たんご)の節句』の掛軸として、兜(かぶと)、具足(ぐそく)、鯉のぼりなどもあり種類が豊富です。

茶道で使う5月(皐月)の画賛について知る!

皐月の画賛

立雛(たちびな)

跳鯉(ちょうり)

「真作」掛軸 酒井 萠一「跳鯉」 紙本肉筆
急流を登りきる鯉は、登竜門をくぐり天に昇ってついに龍になる。
そんな姿を描いた図柄は立身出世を願う思いを表しています。
柔らかく立体感のある表現で飛び跳ねる鯉を描いています。

青雲万里心(せいうん ばんりのこころ)

青雲の志、青年の希望に満ちた志は、まさにとどまることありません。
しかし、往々にして年齢を重ねるごとに、その志は低いものとなってしまいがちです。
どんなに年をとろうが、常に青雲の志を持ち続けてほしいものです。

酒井 萠一(さかい・ほういち)

1953年生まれ、岐阜県出身、別号・栄南
京都にて、伊庭新太郎画伯の美術研究所にて研修
木版、銅板、型染め、セリグラフ、水墨等、独学にて習得
1971年 岐阜県展、文部大臣賞受賞
1973年 岐阜「静文堂」にて、初個展
1976年 「ArtistUion]アメリカ巡回展参加
以後、年4回ほど、岐阜、名古屋、東京などにて個展
1983年 三重県長島町「蓮正寺」 壁画製作
1985年 NTT名古屋にて個展
1988年 岐阜県美並村「円空展」出品
1990年 名古屋「銀花」にて個展
1994年 画廊「炎舞」にて、初の陶芸展
1997年 JR東海・善光寺御開帳のポスター製作
1995年 全国のデパート、全国の画廊などにて個展(~2005)
美術年鑑・美術名鑑・美術名典掲載