伊藤家にまつわる小説

花競べ 向嶋なずな屋繁盛記

花競べ 向嶋なずな屋繁盛記

花競べ 向嶋なずな屋繁盛記
(はなくらべ むこうじまなずなやはんじょうき)

時代は、江戸寛政。
花競(はなくら)べ――
最も優れた名花名木に与えられる称号・玄妙を目指し、江戸中の花師が育種の技を競い合う三年に一度の“祭”。
恩ある上総屋六兵衛(日本橋駿河町の太物問屋、上総屋の隠居)に懇願されて出品した「なずな屋」の新次(向嶋の種苗屋なずな屋の主人で花師)は、そこでかつて共に修業した霧島屋の理世(駒込染井の植木商・霧島屋六代目、伊藤伊兵衛政澄の一人娘)と再会する。
江戸市井の春夏秋冬をいきいきと描く傑作「職人小説」。
2008年10月、単行本として刊行された「実さえ花さえ」に加筆、改題したもの。
小説現代長編新人賞奨励賞受賞作。

目次

第一章 春の見つけかた
第二章 空の青で染めよ
第三章 実さえ花さえ、その葉さえ
第四章 いつか、野となれ山となれ
終 章 語り草の、のち

著者略歴

朝井 まかて(あさいまかて)
1959年、大阪府生まれ。甲南女子大学文学部卒業。
2013年、歌人・中島歌子の生涯を描いた『恋歌(れんか)』(講談社)で、本屋が選ぶ時代小説大賞2013を受賞。
2014年、同作で第150回直木三十五賞を受賞。同年、井原西鶴を主人公とした『阿蘭陀西鶴』(講談社)で第31回織田作之助賞受賞
2016年、葛飾応為の生涯を描いた『眩(くらら)』(新潮社)で第22回中山義秀文学賞を受賞。
2017年、『福袋』(講談社)で第11回舟橋聖一文学賞を受賞。
2018年、『悪玉伝』(KADOKAWA)で第22回司馬遼太郎賞を、『雲上雲下』(徳間書店)で第13回中央公論文芸賞を受賞。 また、数々の名作を出版した功績を称え、大阪府庁にて大阪文化賞を受賞している。

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